「檸檬堂」がヒットした理由
缶チューハイの「檸檬堂」が売れているそうです。
缶チューハイ「檸檬堂」はコカ・コーラ社より発売されて以来売れています。
コカ・コーラ社はそれまで清涼飲料水が主な商品で、今回初めてのアルコール商品でヒットしています。
それはなぜでしょうか。
「檸檬堂」が発売される前の缶チューハイ市場は、キリンの「氷結」がトップを走っていました。
「氷結」の商品コンセプトは「果汁を凍結してそのまま入れました」というもの。
他メーカーの商品も、果汁感を前面に押し出したものが多く発売されています。
そこでコカ・コーラ社は最初から果汁感「以外」の切り口を探したといいます。
まず「檸檬堂」は、レモンフレーバーのみという点です。
食品を開発するときは、「フレーバーエクステンション」といって、いろいろな味の展開がされています。
レモン以外にブドウやカルピスやグレープフルーツなど様々です。
しかし缶チューハイの売上比率を見ると、どんなブランドでもみんなレモンが売り上げが多い。
「檸檬堂」は「それならレモンだけでいいじゃないか」と割り切ったそうです。
つぎに、9%、7%、5%、3%とアルコール度数の違いでバリエーションをつけた点です。
それまでは度数ごとに別のブランドを作るのが基本でした。
ところが「檸檬堂」は、一つのブランドで度数違いを出すという戦法をとったのです。
では、なぜ他社が同じような事ができなかったのか。
それは新しいものを作ると自分たちのブランドイメージが壊れてしまうという事からでした。
また、日本のメーカーには真似体質というものがあります。
〇〇の感じが売れているとなれば、似たような商品を出せば売れるという考えで作成してしまう。
どの業界でも、その業界の中にどっぷりつかっていると、業界の慣習や常識に従ってしまうのが多いです。
しかしそれを乗り超えてこそ、イノベーションが起こせるということを、「檸檬堂」の例は教えてくれています。
色々な慣習や流れにあわせず、いろんな発想をしていくことも大事なことだと思いました。