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ビートルズ(Beatles)の新曲発表

今月の2日にビートルズ(Beatles)の新曲が配信されました。
これは既存メンバーのみの新曲発表ではなく、1980年に亡くなったジョン・レノンがボーカルを担当するということもあって話題になりました。
これはどういうことかというと、ジョン・レノンが生前にバンドメンバーとのセッションを録音していたテープが存在しており、そちらのテープの楽曲からジョン・レノンの歌声のみを取り出し、今回のボーカル音源として採用したということです。
テープに残った曲の発表はこれまでにもビートルズは行っていました。
ただし今回発表された新曲のテープは録音状態が特に酷く、ジョン・レノンの歌声と他の楽器の音、環境音などが混ざり、楽曲として使える状態ではありませんでした。
そしてこれらの課題を解決したのがAI技術の進歩によるものでした。
具体的なソフトウェア名の発表されておりませんが、テープの音源からAIがボーカル、楽器、ノイズの違いを認識し、ジョン・レノンの歌のみを綺麗に抽出したからこそ、今回の新曲の発表を行えることができました。
そうしたボーカル音源に対して、残った楽器メンバーが新録を行い、時間を超えた作曲活動を行ったということは、あまりビートルズに興味がない私のような人でも、バンドメンバーの気持ちを思わせるエピソードだと思います。
このようなAI技術と音楽とを組み合わせた事例は爆発的に増加しています。
ただし良いことばかりではなく、たくさんの問題も抱えています。
例えばAIによって特定アーティストのボーカルに声を似せ、そうしたAIによって生成したボーカル音源を利用した楽曲が人気が出てしまったことで、ほとんど元ネタとも呼べるアーティストからの訴えが起きるなど、技術の進歩によって生まれる問題もあります。
音楽である以上は、パクリ、パクられのような問題は日常茶飯ともいえましたが、AIによって意図的に似せて作られたものが、人気になってしまったという事態はおそらく初の出来事だと思います。
AIという技術は道具である以上、どのように用いられるかは使用者のモラルによります。
あまり問題があるからといってすぐに規制するようなことをせず、今回のビートルズのような良い用いられ方で広まっていけばと思います。